ご挨拶

Ensemble Amoibe にご関心をお寄せいただいている皆様へ
 
Ensemble Amoibe は、2018年1月に京都で発足し、「ヴァイオリニストの石上真由子が中心となり、素敵な演奏家・作品・場所を紹介するコンサートシリーズ」と銘打ち、教会やお寺、サロンなどで、コンサートをより日常的に楽しんでいただけるよう、様々な公演を行ってきました。
 
創設から5年の時が経ち、皆様のご来場、ご支援のおかげで、本年、60公演を迎えることとなりました。今や Ensemble Amoibe は、私にとってライフワークのような存在です。
 
2023年、一般社団化に伴い、次の5年に向けた「演奏家による、音楽のためのコンサート」というコンセプトを打ち出しました。一見当たり前のように思える言葉ですが、この時代に、それを実現することは、決して容易ではありません。効率性や、業務性といった資本主義を前提とする感覚が、文化芸術、音楽をも覆ってしまっているからです。しかしながら、本来人類と音楽の関係というものは、それに留まるものではありません。
 
私たちにとって、音楽に心を注ぐということは、当たり前のことながら、それなりの時間と気力を要するということです。Ensemble Amoibe は、演奏家が思う存分音楽と向き合える環境であることを大事にしたいと思っています。音楽に没頭し、様々なアイデアや思いが重なって、ひとりでは成し得ない体験を共有することができるならば、これに勝る喜びはありません。私達のこの喜びが音楽を通じて皆様にも伝播したら良いなと思うのです。演奏家が集い、そこに聴き手の皆様の力もあわさって、多くの変容が起こっていく場になることが Ensemble Amoibe の目標のひとつでもあります。
 
そして、演奏以外にもプログラミングや、プログラムノートなど、コンサートを構成する要素ひとつひとつを大事にしたいというのが、Ensemble Amoibe の思いです。演奏家目線から曲の魅力を語ったプログラムノート、曲目構成の意図など、随所にこだわりを感じていただけるような趣向を凝らし、ただ「音楽を聴く」だけで終わらない、好奇心の扉をノックするような仕掛けを散りばめられるよう、心がけています。
コンサートに通いなれた方にこういった謎解きを楽しんでいただくことはもちろん、あまりコンサートを体験したことのない方にも「また来たい!」と思って頂けるきっかけとなれば幸いです。
 
「Ensemble Amoibeの公演に足を運べば良いものに出会える!素敵な体験ができる!」と思っていただけるような公演を、楽しく、そして長く続けていきたいと思います。
そのためには、みなさまのサポートが欠かせません。実際に会場へ足を運んでくださることが、私たちにとってなにより大きな励みとなります。
これまで長きにわたって応援くださったみなさまをはじめとし、今後もますますEnsemble Amoibeの輪が広がっていきますように。

主宰 石上真由子

石上真由子 Mayuko Ishigami

A born musician with all the tools to make any audience feel happy : great technique, exquisite sense of
phrasing, and charisma to convey her emotions. - Jean-Jacques Kantorow (ヴァイオリニスト)

溢れんばかりの表現欲求、高い音楽的直感力と柔軟性、そして何より聴き手にダイレクトに伝わるポジティブなエ
ネルギー。 - 弓 新(ヴァイオリニスト)


5歳からヴァイオリンを始め、8歳の時にローマ国際音楽祭に招待される。
高校2年生で第77回日本音楽コンクール第2位、併せて聴衆賞及びE・ナカミチ賞受賞。第7回ルーマニア国際音楽コンクール弦楽部門第1位、全部門最優秀賞及びコンチェルトデビュー賞受賞。第5回宗次エンジェルヴァイオリンコンクール第4位受賞。第14回チェコ音楽コンクールヴァイオリン部門第1位受賞。2017年9月バルトークコンクールにて特別賞受賞。
題名のない音楽会、NHKクラシック音楽館、NHK-FM名曲リサイタルやリサイタル・ノヴァ、NHK-FM「ブラボー!オーケストラ」等に出演。NHKテレビではドキュメンタリーや、東京交響楽団、大阪フィルハーモニー交響楽団との共演も放送された。
東京交響楽団、東京都響交響楽団、読売日本交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団、京都市交響楽団、仙台フィルハーモニー管弦楽団、大阪交響楽団、大阪フィルハーモニー交響楽団、ブラショフ国立交響楽団、関西フィルハーモニー管弦楽団、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団、旧 東京ニューシティ管弦楽団(現 パシフィックフィルハーモニア東京)、セントラル愛知交響楽団など、国内外で多数のオーケストラと共演。
Charlottesville Chamber Music Festival(アメリカ)・Festival Academy Budapest(ハンガリー)・Elba Isola Musicale d’Europa(イタリア)、Lobero Theatre Chamber Music Project(アメリカ)など、欧米各地の音楽祭・演奏会に出演。
ソロ活動と共に、京都市交響楽団や大阪フィルハーモニー交響楽団、日本センチュリー交響楽団、愛知室内オーケストラ、オーケストラ・アンサンブル金沢等に客演首席として出演するほか、長岡京室内アンサンブル、アンサンブル九条山のメンバーとしても活躍している。
自らが主宰するEnsemble Amoibeシリーズで室内楽公演をプロデュースし、京都・大阪・東京各地で公演を行っている。
Music Dialogueアーティスト。CHANEL Pygmalion Days室内楽アーティスト。京都コンサートホール第1期登録アーティスト。令和2-4年度 公共ホール音楽活性化事業登録アーティスト。
令和元年度 京都市芸術新人賞受賞。アンサンブル九条山のメンバーとして2019年度音楽クリティック・クラブ賞 奨励賞受賞。令和元年度 大阪文化祭賞奨励賞受賞。2019年度第29回青山音楽賞 青山賞受賞。2021年の活動に対し、2021年度音楽クリティック・クラブ賞 奨励賞受賞。
2019年1月、日本コロムビアOpus OneレーベルよりCD「ヤナーチェク:ヴァイオリン・ソナタ」(レコード芸術準特選盤)をリリース。同年9月にリリースの「ラヴェル:ツィガーヌ」(東京ユヴェントスフィルハーモニー・坂入健司郎指揮)もALTUSレーベルより好評発売中。
2022年6月に日本コロムビアより2枚目となるCD「ブラームス:ピアノとヴァイオリンのためのソナタ第1番」(ピアノ:鈴木優人)をDENONレーベルよりリリース、レコード芸術誌にて特選盤に選ばれた。
2023年1月、藤堂顕一郎音楽褒賞基金 第42回 藤堂音楽賞を受賞。
2022年10月に出演したフィリップ・グラス作曲『浜辺のアインシュタイン』(ザ・フェニックスホール主催)公演が令和4年度 文化庁芸術祭大賞を受賞。